屋根修理を火災保険で無料にする!台風被害、経年劣化、詐欺への対策まとめ

この記事では、火災保険を使った屋根の修理について解説していきます。
実際に、
「痛んできたからリフォームを考えたいんだけど、なにかお得な方法はないのだろうか?」
「去年の台風で屋根瓦が無くなってしまった部分があって、次の台風が来るのが怖い」
「最近、大雨の時に雨漏りがするのでなんとかしたい」
「火災保険って、自宅の修理に使えるらしいが、どうやって申請するんだろう」
屋根の不具合や、修理、リフォームをしたいと考える中で、この様なお悩みを持たれてませんでしょうか?
この記事では、火災保険が屋根の修理の場合、どのようなケースで適用され、どのような申請をするのが最も良いのかを解説していきますので、ご参考になれば幸いです。
目次
屋根修理に火災保険は使えるの?
「屋根の修理に火災保険は使えるの?」
についてですが、一言で言えば「Yes」です。
ただし、屋根を直したいからといって、なんでもかんでも保険が適用される訳ではありません。
どういう場合に適用され、どういう場合がダメなのか、順を追って解説していきます。
火災保険についての基礎知識については、下記の記事をご参考ください。
「火災保険とは?補償内容、対象と対象外の災害など基本を解説!」
経年劣化の場合
恐らく、経年劣化による屋根の不具合で修理をしたいと考える方が多いのではないかと思います。
しかし、残念ながら火災保険は「保険」ですので、経年劣化を理由にした保険金の申請をすることはできません。
ただ、家というものは長く住める様にとても丈夫に作られており、そんなに簡単に壊れるものではありません。
経年劣化と考えている不具合は、建物に対する素人のあなたの推測でしかありません。
本当は、台風などによる強風がきっかけで壊れている可能性もあり、あなたが経年劣化と考えている不具合がある場合は、一度専門のプロに診断してもらった方が良いです。
火災保険が認定されやすい屋根の特徴
実際に、火災保険が認定されやすい屋根の構造別症状例になります。
屋根の種類 | ズレ | 割れ | 浮き | 剥がれ | 損壊 |
瓦屋根 | ◯ | ◯ | △ | △ | ◯ |
ストレート屋根 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
棟板金 | △ | △ | ◯ | △ | ◯ |
金属屋根 | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
漆喰 | × | △ | △ | ◯ | ◯ |
屋根塗装 | × | × | × | ◯ | × |
あくまで例なので、必ずこの通りという訳にはいきませんので、参考程度にご確認ください。
実際の、ズレ、割れ、浮き、剥がれ、損壊など不具合を挙げていますが、正直の不具合が本当に起こっているかは屋根に登って見てみないとわかりません。
住んでいて症状を感じるのは、雨漏りがするなど症状が深刻になってからになります。
雨漏りがするようになってからでは、修繕もかなり大掛かりなものになってきます。
深刻な事態になる前の修繕は、今後の台風対策を感がても非常に大切なものになってきますので、余裕のある時に対策をご検討されてみてください。
下記に、事例の写真を掲載しますが、ご覧の通り屋根の上から確認います。
地上からの目視で確認することは非常に困難です。
※屋根に登ることは非常に危険なので、絶対にやらないでください。
この様な状態での放置は、非常に危険です。
ズレ
屋根がズレて、波打ってしまっています。
割れ
瓦の継ぎ目が割れてしまっています。
浮き
瓦が浮いています。
剥がれ
瓦の固定が外れて、屋根から剥がれ落ちそうになっています。
損壊
屋根の一部が損壊して、瓦がなくなっています。
台風被害、春一番などの強風の場合
台風、春一番、竜巻などによる強風で屋根に被害を受けてしまった場合、これは「風災」という火災保険の基本補償に含まれる損害として、修繕に必要な費用を請求することが可能です。
近年、強風による被害が深刻だった台風は、2019年に千葉県を中心に甚大な被害を出した台風15号が記憶に新しいことと思います。
2019年の台風15号による住宅の被害状況です。
都道府県 | 全壊 | 半壊 | 一部損害 | 床上浸水 | 床下浸水 |
福島県 | 1 | 5 | 6 | ||
茨城県 | 4 | 84 | 4,705 | 1 | |
栃木県 | 3 | ||||
埼玉県 | 15 | 1 | |||
千葉県 | 363 | 3,929 | 62,986 | 34 | 57 |
東京都 | 12 | 68 | 1,425 | 13 | 11 |
神奈川県 | 11 | 76 | 2,665 | 68 | 32 |
静岡県 | 47 | 480 | 2 | ||
合計 | 391 | 4,204 | 72,279 | 121 | 109 |
参考:総務省消防庁による建物被害情報(2019年12月23日15時時点)
千葉県が、90%以上の被害を占めた悲惨な台風でしたが、この台風の強風による建物の「全壊、半壊、一部損害」は「風災」として火災保険の認定を得ることができます。
※全壊、半壊の理由が、河川決壊による洪水、土砂崩れなどによる倒壊の場合は、「水災」になる。
上記の屋根以外にも、雨どい、壁、窓、塀、門、カーポートなど、風災による被害で修理できる箇所はたくさんありますので、詳しくは下記をご参照ください。
「【写真事例付き】火災保険は台風の被害でも申請できる?直せる事例を紹介」
実質無料にする勧誘・営業に注意!
2019年の台風15号のような大きな台風が通過した地域には、リフォーム会社が訪問や電話で「火災保険を使って、屋根を無料で修理しませんか?」という営業に来られることがあります。
まず、真っ当なリフォーム会社であれば訪問営業や電話営業で「火災保険を使いませんか?」などという提案はしてきません。
こういった勧誘はトラブルになる可能性が高いので耳を傾けないことが大切です。
実際ここ10年で火災保険申請を使ったリフォームでのトラブルは、高齢者を中心に消費者センターに寄せられた苦情は30倍以上に増えています。
トラブル事例、詐欺に遭わない方法などをまとめてありますので、詳しくは下記をご参照ください。
「火災保険の申請代行で詐欺にあわない方法!「屋根の修理が無料でできます」に騙されない」
屋根修理で火災保険申請をする方法
「色々わかった。じゃあ火災保険は自分で申請すればいいんだね?」
と思ったことと思います。
これについては、半分正解、半分不正解になります。
まず、火災保険の申請は「保険者(加入者)が申請をすること」という決まりがありますので、他人が代理で申請することは、契約違反になります。
もし、他人が申請していることが発覚しますと、保険金がおりない、保険を解除されるなどの可能性がありますので、申請を他人にお願いすることはやめてください。
申請自体、あなたがやることは、
①保険屋さんに電話して書類を取り寄せる
②書類を記入して送付する
③審査結果が認定されれば保険金が振り込まれる。
たったこれだけです。
ただ、火災保険の申請をするには、
・損害箇所が自然災害(風災)による被害であることを証明する書類(内容の説明、写真など)
・修理に必要な見積書
が必要になります。
これは、素人で用意するのは非常に難しいというか、専門業者の力を借りないとまず無理です。
屋根の修理をした時の事例を1件紹介させていただきます。
この事例は、建物、保険両方に詳しい火災保険申請サポート業者にお願いをしています。
修理に必要な見積りの金額:2,584,780円でした。
これに対して、保険会社からの認定された金額は「2,493,229円」でした。
見積り額に対して、ほぼ満額の解答をいただくことができました。
これは、建物にも保険にも詳しい業者の力を借りているせいもありますが、建物の状況によっては自然災害が原因ではないと判断されて減額されることもあります。
申請の手順については、下記の記事に詳しくまとめてあります。
ここが保険の認定を受ける上で最も大切になりますので、よくご確認いただければと思います。
「火災保険の申請は自分でできる?保険金を受け取るまでの流れを解説」
まとめ:屋根修理は火災保険できます
結論ですが、屋根の修理は火災保険でできます。
ただし、火災保険は災害によって被害を受けた建物を守る為の「保険」ですので、経年劣化による申請は受け付けてもらえません。
近年、大きな台風が毎年日本列島を横断しており、少なくとも台風などによる強風によって建物が被害を受けている可能性は非常に高いです。
あなたが経年劣化と思っているようなものも、実際の不具合はプロの目で屋根の上から診断してもらわなければ「経年劣化」か「自然災害」による被害かの判断はつきません。
なので、屋根の修理を考えている場合は、一度プロに見てもらってから、診断結果に応じて火災保険の利用を検討するのが良いかと思います。
屋根の修理は高所の作業になる為、割と軽微なものであっても100万円以上かかるのが相場ですので、せっかく加入している火災保険を有効活用していただけたら幸いに思います。
火災保険の申請までの、現状最も良い方法を下記にまとめておきました。
「火災保険の申請は自分でできる?保険金を受け取るまでの流れを解説」
最後まで閲覧いただきありがとうございました。